低体温症と水中での生存について
■低体温症(ハイポサーミア)とは
何らかの原因で中心体温(直腸温)が35°C以下に低下した病態で、軽度であれば自律神経の働きにより自力で回復するが、重度の場合や自律神経の働きが損なわれている場合は、死に至る事もある症状である。体温が低下するのは、身体内部で発生する代謝熱量と外部へ放出される熱量のバランスがくずれ、放熱過多になるためです。
■症状
中心体温(直腸温) 意識 震え 心拍数
35 - 33°C(軽度) 正常 (あり) 正常
33 - 30°C(中度) 無関心 (なし) 軽度低下
30 - 25°C(重度) 錯乱・幻覚 (なし) 著明低下
25 - 20°C(重篤) 昏睡・仮死 筋硬直 著明低下
20°C以下(非常に重篤) ほぼ死亡状態 筋硬直
■低体温症による、水中での大人の平均生存時間
水温 疲労又は意識不明 水中での生存可能時間
0℃ 15分以下 15~45分
0~5℃ 15~30分 30~90分
5~10℃ 30~60分 1~3時間
10~15℃ 1~2時間 1~6時間
15~20℃ 2~7時間 2~40時間
20~25℃ 2~12時間 3時間~体力が続く限り
25℃以上 体力が続く限り 体力が続く限り
■水温が20℃以下(低水温)になると
水中では空気中より25倍も早く体温が下がります。水温・身体の大きさ・脂肪の量・及び水中での動きに生存と関わりがあります。
■水中での対処
水中で身体を動かすと体温の低下を非常に促進しますので、近くに助ける人がいない限り、動いてはいけません。又、頭部は放熱の速度が速いので出来るだけ、水に浸からないようにすることです。水の中から体を出せば出すほど、放熱量は下がり、生存の可能性は高くなります。足を揃えたり、同時に浮いている人が近くにいれば、一緒に肩を組んだりして暖めあうことが生存につながります。
■救出後の体温放出の抑制ポイント
低水温の水中に入った場合は、速やかに水中から引き上げて放熱時間を短くしてください。 低気温においては、頭部や四肢からの放熱を防ぐようにします。頭部や頸部を帽子やえり巻きで保温すると効果的です。 環境が悪化している場合には、防風シェルター等を利用して体温低下を予防してください。
●対処法・基礎
風雨に晒されるような場所を避け、衣服が濡れている場合は、それらを乾いた暖かい衣類に替えさせ、暖かい毛布などで包む。衣類は緩やかで締め付けの少ない物が望ましい。脇の下やそけい部(又下)等の、太い血管(主に静脈)がある辺りを湯たんぽなどで暖め、ゆっくりと体の中心から温まるようにする。この時、無理に動かすと、手足の冷たくなった血液が、急激に内臓や心臓に送られる結果になるため、体を温めさせようとして運動させるのは逆効果であるので、安静とする。
●対処法・軽度
とりあえずどんな方法ででも、体を温めるようにして、暖かい甘い飲み物をゆっくり与える。ただし目が醒めるようにとコーヒーやお茶の類いを与えると、利尿作用で脱水症状を起こすので避ける。アルコール類は体は火照るが、血管を広げて熱放射を増やし、さらには間脳の体温調節中枢を麻痺させて震えや代謝亢進などにより体温維持のための反応が起こりにくくなるため、絶対与えてはいけない。リラックスさせようとしてタバコを与えてはいけない。タバコにより末梢血管が縮小して、凍傷を起こす危険があるためである。この段階では、少々手荒に扱っても予後はいいので、出来るだけこの段階で対処すべきである。
●対処法・中度
運動させたりすると、心臓に冷たい血液が戻って、心臓が異常を起こす事もあるので、出来るだけ安静に努める。急激に体の表面を暖めるとショック状態に陥る事があるので、みだりに暖めない。比較的穏やかに暖める事は可能であるが、裸で抱き合うと、体の表面を圧迫して余計な血流を心臓に送り込んで負担を掛けるので避けるべきである。同様の理由で手足のマッサージも行ってはいけない。とにかく安静にする必要があるので、風雨を避けられる場所に移動するにも、濡れた衣服を着替えさせるにも、介助者がしてやるようにし、出来るだけ当人には運動させないようにする。心室細動により非常に苦しむ事も在るが、心臓停止状態以外では、胸骨圧迫も危険であるため、してはならない。
●対処法・重度
呼吸が停止しているか、または非常にゆっくりな場合は、人工呼吸を行って、呼吸を助ける。心臓停止状態にある場合は、胸骨圧迫を併用する。心臓が動き出したら胸骨圧迫を止め、人工呼吸を行う。この場合はマウス・トゥ・マウス式(仰向けに寝かせた要救護者の後頭部から首に掛けて手を宛がって持ち上げ、鼻をつまんで、介護者が口を使って、要介護者の口へ息を吹き込む・喉の奥に吐いた物が詰まっている場合は、これを取り除いてから行う)人工呼吸の方が、人間の吐息であるために暖められていて都合がよいとされる。
●救命活動の重要性
ちなみに低体温症においては、仮死状態と完全に死んでいる状態の違いを、明確に判定する事は非常に難しいが、それと同時に、この状態が生物学的に完全に死んでいる状態であると断定できない部分も大きい。しかし放って置けば確実に死亡するため、医療機関に搬送され、専門医の適切な治療と診断を受けるまでは、何があっても・何時間でも、介護者が二次遭難する危険にないかぎりは、救命活動を続行すべきとされている。
※上記説明文は人命救助と予防啓発のために、私がインターネット検索等にて調査抜粋しまとめたものであり、その内容について保証するものではありません。緊急の場合のための参考として、自己の責任で判断して下さい。
■低体温症(ハイポサーミア)とは
何らかの原因で中心体温(直腸温)が35°C以下に低下した病態で、軽度であれば自律神経の働きにより自力で回復するが、重度の場合や自律神経の働きが損なわれている場合は、死に至る事もある症状である。体温が低下するのは、身体内部で発生する代謝熱量と外部へ放出される熱量のバランスがくずれ、放熱過多になるためです。
■症状
中心体温(直腸温) 意識 震え 心拍数
35 - 33°C(軽度) 正常 (あり) 正常
33 - 30°C(中度) 無関心 (なし) 軽度低下
30 - 25°C(重度) 錯乱・幻覚 (なし) 著明低下
25 - 20°C(重篤) 昏睡・仮死 筋硬直 著明低下
20°C以下(非常に重篤) ほぼ死亡状態 筋硬直
■低体温症による、水中での大人の平均生存時間
水温 疲労又は意識不明 水中での生存可能時間
0℃ 15分以下 15~45分
0~5℃ 15~30分 30~90分
5~10℃ 30~60分 1~3時間
10~15℃ 1~2時間 1~6時間
15~20℃ 2~7時間 2~40時間
20~25℃ 2~12時間 3時間~体力が続く限り
25℃以上 体力が続く限り 体力が続く限り
■水温が20℃以下(低水温)になると
水中では空気中より25倍も早く体温が下がります。水温・身体の大きさ・脂肪の量・及び水中での動きに生存と関わりがあります。
■水中での対処
水中で身体を動かすと体温の低下を非常に促進しますので、近くに助ける人がいない限り、動いてはいけません。又、頭部は放熱の速度が速いので出来るだけ、水に浸からないようにすることです。水の中から体を出せば出すほど、放熱量は下がり、生存の可能性は高くなります。足を揃えたり、同時に浮いている人が近くにいれば、一緒に肩を組んだりして暖めあうことが生存につながります。
■救出後の体温放出の抑制ポイント
低水温の水中に入った場合は、速やかに水中から引き上げて放熱時間を短くしてください。 低気温においては、頭部や四肢からの放熱を防ぐようにします。頭部や頸部を帽子やえり巻きで保温すると効果的です。 環境が悪化している場合には、防風シェルター等を利用して体温低下を予防してください。
●対処法・基礎
風雨に晒されるような場所を避け、衣服が濡れている場合は、それらを乾いた暖かい衣類に替えさせ、暖かい毛布などで包む。衣類は緩やかで締め付けの少ない物が望ましい。脇の下やそけい部(又下)等の、太い血管(主に静脈)がある辺りを湯たんぽなどで暖め、ゆっくりと体の中心から温まるようにする。この時、無理に動かすと、手足の冷たくなった血液が、急激に内臓や心臓に送られる結果になるため、体を温めさせようとして運動させるのは逆効果であるので、安静とする。
●対処法・軽度
とりあえずどんな方法ででも、体を温めるようにして、暖かい甘い飲み物をゆっくり与える。ただし目が醒めるようにとコーヒーやお茶の類いを与えると、利尿作用で脱水症状を起こすので避ける。アルコール類は体は火照るが、血管を広げて熱放射を増やし、さらには間脳の体温調節中枢を麻痺させて震えや代謝亢進などにより体温維持のための反応が起こりにくくなるため、絶対与えてはいけない。リラックスさせようとしてタバコを与えてはいけない。タバコにより末梢血管が縮小して、凍傷を起こす危険があるためである。この段階では、少々手荒に扱っても予後はいいので、出来るだけこの段階で対処すべきである。
●対処法・中度
運動させたりすると、心臓に冷たい血液が戻って、心臓が異常を起こす事もあるので、出来るだけ安静に努める。急激に体の表面を暖めるとショック状態に陥る事があるので、みだりに暖めない。比較的穏やかに暖める事は可能であるが、裸で抱き合うと、体の表面を圧迫して余計な血流を心臓に送り込んで負担を掛けるので避けるべきである。同様の理由で手足のマッサージも行ってはいけない。とにかく安静にする必要があるので、風雨を避けられる場所に移動するにも、濡れた衣服を着替えさせるにも、介助者がしてやるようにし、出来るだけ当人には運動させないようにする。心室細動により非常に苦しむ事も在るが、心臓停止状態以外では、胸骨圧迫も危険であるため、してはならない。
●対処法・重度
呼吸が停止しているか、または非常にゆっくりな場合は、人工呼吸を行って、呼吸を助ける。心臓停止状態にある場合は、胸骨圧迫を併用する。心臓が動き出したら胸骨圧迫を止め、人工呼吸を行う。この場合はマウス・トゥ・マウス式(仰向けに寝かせた要救護者の後頭部から首に掛けて手を宛がって持ち上げ、鼻をつまんで、介護者が口を使って、要介護者の口へ息を吹き込む・喉の奥に吐いた物が詰まっている場合は、これを取り除いてから行う)人工呼吸の方が、人間の吐息であるために暖められていて都合がよいとされる。
●救命活動の重要性
ちなみに低体温症においては、仮死状態と完全に死んでいる状態の違いを、明確に判定する事は非常に難しいが、それと同時に、この状態が生物学的に完全に死んでいる状態であると断定できない部分も大きい。しかし放って置けば確実に死亡するため、医療機関に搬送され、専門医の適切な治療と診断を受けるまでは、何があっても・何時間でも、介護者が二次遭難する危険にないかぎりは、救命活動を続行すべきとされている。
※上記説明文は人命救助と予防啓発のために、私がインターネット検索等にて調査抜粋しまとめたものであり、その内容について保証するものではありません。緊急の場合のための参考として、自己の責任で判断して下さい。